[セブンスターズ] オルガ : 「………なあ、この商品なんだけどよ」

[セブンスターズ] マクギリス : 「どうした?オルガ」

[セブンスターズ] オルガ : 「なんでお前の自伝なんだ?しかも値段異常に高いじゃねえか」

[セブンスターズ] マクギリス : 「先日も言ったが、人は英雄に惹かれるものだ。英雄に憧れ、英雄足らんとした私の人生を知りたがる者も当然いるだろう」

[セブンスターズ] オルガ : 「……まあそうかもしれねえけどよ。なあミカ?正直どう思う?」

[セブンスターズ] ミカ : 「別にどうも思わないけど、仮に俺の人生をつづった本を出したとしてもこの世界じゃ価値なんて殆どないと思う」

[セブンスターズ] オルガ : 「だよなぁ…知らねぇ世界の人間の知らねえ人生なんて誰も興味持たねえよなあ…」

[セブンスターズ] マクギリス : 「ふ、まあ見ているがいい」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] オルガ : 「…マジかよ、売れたのか」

[セブンスターズ] マクギリス : 「言ったはずだ、これで問題ないと」

[セブンスターズ] オルガ : 「確かに言ったが…まあいい、こういうもんが売れるんなら俺にも考えってのがある。そろそろ商品に一枚噛ませてもらうぜ」

[セブンスターズ] マクギリス : 「構わんよ、君たちのような柔軟な発想こそ私の求める世界には必要なのだ」

[セブンスターズ] オルガ : 「相変わらず調子の良い野郎だ…」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「…さて、鬼が出るか蛇が出るか。だがこれで私の理想へと一歩近づいた。周囲を蹴散らし、見事に掴んで見せよう。純粋な儲けだけが支配する真実の世界を…!」

[セブンスターズ] オルガ : 「なあマクギリス…目的を見失ってねえか?」

[セブンスターズ] マクギリス : 「見失ってなどいないさ。今は利益のみを追求するが、その資金はいずれ世界へバエルを広げるための大きな足掛かりとなる。」

[セブンスターズ] オルガ : 「…そう言って止まれなくなってやらかしたのが前のお前と俺らだった気がすんだがな」

[セブンスターズ] マクギリス : 「ハハハ、間違ってはいないよ。だが私も失敗はもうしない。そのために今回はリスクを背負い、バエルのプラモデルを作ったのだ」

[セブンスターズ] マクギリス : 「…だが、この企業の動きがどうなるか。だな」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] オルガ : 「おいマクギリス!大損じゃねえか!」

[セブンスターズ] マクギリス : 「ハハハハ!そういうこともある!他人を蹴落とすつもりが、まさか競合相手のいない市場でそこまで価値を高めているとは!」

[セブンスターズ] オルガ : 「クソっ!次こそは…!」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「さあバエルプラモの完成度を上げろ!この戦略こそが私たちを高みへと押し上げる!」

[セブンスターズ] ミカ : 「う~ん…こう、地道に研磨したりするもの飽きてきたな…」

[セブンスターズ] オルガ : 「だが確かに商品の質で勝負ってのは悪い発想じゃねえ…俺たちだけならダメだが、マクギリスがいるならある程度適切な処理を下せるはずだ」

[セブンスターズ] マクギリス : 「見ているがいい!これからの時代…勝つのは価値を高め、それに見合った値段を付けた者ではない!よりよい商売をしたものこそが勝者なのだ!」

[セブンスターズ] オルガ : 「…ところで今思ったんだがよ、バエルやバルバトスって俺らの世界じゃ有名なのかもしれねえが、この世界じゃ無名じゃねえか?」

[セブンスターズ] ミカ : 「そうだね、【価値】もそんなにないんじゃないかな」

[セブンスターズ] オルガ : 「…あいつの中じゃ【価値】50くらいなのかもしれねえがよ、実際のところ5もあるか怪しいな」

[セブンスターズ] マクギリス : 「ハハハハ!ハハハハハハ!待っていろ時臣!そしてラスタル・エリオン!私の望んだ世界はすぐそこだ!」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] オルガ : 「っぶねえ…あのおっさんがいなけりゃ大惨事だったんじゃねえか?」

[セブンスターズ] マクギリス : 「彼もまた、アグニカ・カイエルの理想を継ぐもの…そう言えるのかもしれないな」

[セブンスターズ] オルガ : 「絶対ちげえ」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「フフフ…ついに完成したぞ!【価値】100のバエルプラモPG!」

[セブンスターズ] ミカ : 「やったね、チョコの人」

[セブンスターズ] マクギリス : 「ああ、ありがとう。君達のおかげだ」

[セブンスターズ] オルガ : 「まあそれはいいんだが…それ、どう売るんだ?」

[セブンスターズ] マクギリス : 「当然!私が直接売る!」

[セブンスターズ] オルガ : 「………………」

[セブンスターズ] オルガ : (マクギリスがどう思ってようがウザさも含めいいとこ価値14だな、あれじゃ)

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「フフフ…蹴落とすのもいいが、私の第一の目標はバエルを世に知らしめることなのでね」

[セブンスターズ] オルガ : 「まあいいが…正直俺も火星の王になるよりこうしてのんびりしてた方が性に合う気がしてきた」

[セブンスターズ] ミカ : 「ダメだよオルガ。ここが俺達の場所なの?」

[セブンスターズ] オルガ : 「ミカ…そうは言うがそもそも鉄華団はもうねぇぞ…」

[セブンスターズ] ミカ : 「それもそうか、でもねオルガ。止まったら許さない」

[セブンスターズ] オルガ : 「勘弁してくれよミカ…」

[セブンスターズ] マクギリス : 「フ…どうやら死んでも君達の本質はまだ変わらないらしい」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] ミカ : 「あ、バルバトスだ。それも作るんだね」

[セブンスターズ] マクギリス : 「当然だ。私にとって、君達鉄華団のガンダムとは力の象徴…バエルと並び、世界へ広めるべきものだ」

[セブンスターズ] オルガ : 「まあそれはいいんだが…利益は考えてるか?」

[セブンスターズ] マクギリス : 「もちろんだとも、最低限の値段はつけたさ」

[セブンスターズ] オルガ : 「本当か…?怪しいもんだがな」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「見ろ!純粋なバエルとバルバトスの完成度に、顧客は圧倒されている!」

[セブンスターズ] オルガ : 「それはいいが…儲けがなくねえか?」

[セブンスターズ] マクギリス : 「細かいことにこだわりすぎだ、オルガ団長。今は雌伏の時…まだ私たちの活動は終わっていないということだ」

[セブンスターズ] オルガ : 「おう、まあ今回も俺らはお前にヤマ貼ってる。死ぬまで付き合ってやるさ」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「ハハハハハ!ハハハハハハハ!国からの依頼だ!等身大バエルの作成依頼だ!見よ!オルガ団長!三日月・オーガス!私の努力がついに身を結んだのだ!ハハハハハハ!」

[セブンスターズ] オルガ : 「おお…!そいつはすげえ!それで!?儲けは!」

[セブンスターズ] マクギリス : 「0だ」

[セブンスターズ] オルガ : 「……?悪い、もっかい言ってくれ」

[セブンスターズ] マクギリス : 「0だ!何しろ用意された費用を全て注ぎ込んだ!報酬分も先にな!」

[セブンスターズ] ミカ : 「ああ、間違いないよ。俺も作成手伝ったから」

[セブンスターズ] オルガ : 「なにやってんだァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] オルガ : 「…なあ、ミカ」

[セブンスターズ] ミカ : 「どうしたの?オルガ」

[セブンスターズ] オルガ : 「1年近くこの世界でやってきたけどよ…」

[セブンスターズ] オルガ : 「…これさ、最初から全員談合する方が効率よく儲けが出た気がすんだよな」

[セブンスターズ] ミカ : 「そう上手くはいかないよオルガ。だってこっちの世界だってしょっちゅう争ってたでしょ?」

[セブンスターズ] オルガ : 「…ま、それもそうだな。とりあえず今回は、相当な上がりだ…!?」

[セブンスターズ]   : ドガァァァァン……
その日、セブンスターズ社のオフィスへとトラックが突っ込み…大惨事を引き起こした。
1名死亡、そしてもう1人いたはずの社員は行方不明である…

[セブンスターズ] マクギリス :

[セブンスターズ] マクギリス : 「…ほう、彼らもまた次の世界へと旅立ったか。では私も行くとしよう。もう十分この世界にバエルは浸透した。この会社にももはや私は必要ない」

[セブンスターズ] マクギリス : 「来るがいいバエルよ!私と共に次の世界へいざ行かん!」

[セブンスターズ]   : パァン…その日、社長室では一つの銃声が鳴り響いた。
急いで社員が駆け付けると、その場には誰もおらず、銃痕すら残っていない。そして、一枚の辞表と、後継者を指名した、法的拘束力のある書き置きだけが残されていたのだった…

[セブンスターズ]   :